Category: Living Arts


Sept.02

毎朝の真剣勝負!20分ほぞ掘りチャレンジ

Sept.02

心町家塾の朝は、すでに活気に満ちています。実技開始時に行われるのは、「20分でほぞを掘る」という集中練習。105mm角の節あり檜材に、サイズ75mm×30mmのほぞ穴を掘り進めて貫通させます。つまり、深さ10.5cmを掘り進めるのです。この短い時間でどこまで掘れるか、受講生はそれぞれに集中し一心不乱にのみをふるいます。 見ていると面白いのが、受講生それぞれの姿勢や座る高さが違うこと。どうやら、みなさん自分にとって一番効率よく、そして力を入れやすい「型」を見つけながら(試行錯誤しながら)挑戦しているのでしょう。毎回同じ作業を繰り返すことで、効率的な体の使い方や道具の扱い方など、多くの学びがあるようです。 20分の練習が終わると、お互いのほぞ穴を確認し合い、「思ったように掘れなかった」「どうやったらそんなにきれいにできるんですか?」などと、活発な意見交換が行われます。特にきれいに掘れている受講生には、「最後はどうやって仕上げているのか」といった具体的な質問が飛び交い、技術を磨きあげようとみんな真剣です。 このほぞ掘りチャレンジで集中力を高めた後は、いよいよ「人見胴付(ひとみどうつき)」の墨付けへと移っていきました。 今回は、受講生のみなさんに、これまで受講してみての感想を聞いてみました。 Aくん:授業で毎回、最初に20分でほぞを掘るということをしています。これが毎回の自分の体調によって、結果が違ってくると感じています。思うように動けていないというか。やることが同じだからこそ、その自分の体調の違いがわかります。万全でないと結果が出せないのはまだまだかと思います。今後、経験を積み重ねていくと万全ではなくてもよい結果が出せるようになるのかなと思っています。 Uくん:刻みはとても難しいのですが、とても楽しいです。仕事では普段、あまり刻みをすることがないのですが、たまに頼まれてすることがあるので、そこに活かせていると思います。でも、同じ部材であっても職場とここでは呼称も違ったりするので、そこも難しさを感じるところです。まだまだ思い通りにできないし、本当に難しいし、めちゃくちゃ疲れるんですが、それでも楽しいです(笑顔)。 Sくん:最初のほぞを20分で掘る作業が、僕の場合はまだまだ思うようにまっすぐに掘れないので、そこが課題だと思っています。「一方差し」についても、ここで初めて学んだので、こうして知識が増えていくのがうれしいです。仕事でやっている社寺建築との違いもいろいろとあって、町家にはなかなか触れる機会がないので、それも経験と知識が増えることがうれしいです。 Kくん(外国籍):いい感じです。やっぱり、ここでやったことが仕事にもつながっていくので、それが嬉しいです。仕事では(斉藤さんも)厳しいし急がないといけないし、仕事とはまた別で、ここで練習できて、それが経験として仕事に活かせるからうれしいです。言葉はまだまだわかならくて難しいです。特に、漢字はまだ仕事で使う言葉だけでも覚えようと思っています。「尺入」という漢字は、RTというイメージで覚えてます(笑)。 Hさん(外国籍):すごい楽しい! やっぱり言葉が難しい。みんなが提出しているレポートも持って帰って、読み直したり、わからない言葉を家でポルトガル語に翻訳して復習しています。ここでの作業はスピードがすごく速いです。僕は、サーフボードを作っていますが、ずっとのんびり自分のペースでやってきた。でも、使っている材木の種類も違うから、家で建築に使う材木を使って練習しています。みんなの雰囲気がすごくいいと思います。

Sept.02

心町家塾 第3期 5月レポート:まだ肌寒い比叡の麓で、墨付けと木材と向き合う

Sept.02

5月の授業は、祗園内藤工務店の作業場で行われました。左京区のなかでも比叡山の麓に位置するこの場所は、最初の授業ではまだ肌寒く、上着を持参しなかった塾生たちは、少し寒そうにしていました。しかし、その寒さも町家大工への熱意の前には些細なことだったようです。 午前中は京町家についての講義がおこなわれました。社寺建築に詳しい受講生もいるものの、町家建築とは異なる点も多いため、その違いを確認しながら、基礎知識を深めました。すでに建築に関わっている受講生が多いため、講義は予定よりも早めに終了し、お昼休憩前からいよいよ実技へと移行しました。 サポートしてくださっている大工の斉藤さんも、今期の受講生の飲み込みの早さに感銘を受けているようでした。最初は緊張した面持ちだった受講生たちも、どの材木を選ぶかジャンケンで決め始める頃には、年相応の笑顔がこぼれていました。 しかし、ひとたび道具を手にすると、その表情は一変。皆、真剣な眼差しで木と向き合い始めました。それぞれの道具を使いこなし、木と対話する彼らの姿を見ていると、日本の伝統建築の未来に明るい光が見えた気がしました。 5月11日には、墨付け(墨付)、仕口・継手(蟻鎌・腰掛)の実技を、そして5月25日には、ササラ、側柱の実技を行いました。一つ一つの工程を丁寧に学び、着実に技術を習得していく受講生たちの姿は、まさに未来の匠の卵たちです。

Aug.25

Mayumi Tachikawa – Interview #2 “Beauty is Intent”

Aug.25

Gianfranco, a European Designer, Reflects on Japanese Craft and Its Future Introduction Why does Japanese craftsmanship embody such deep spirituality? In this interview, Gianfranco, a designer based in Europe, shares his reflections on how Japanese materials, aesthetics, and craft culture deeply influence daily life. Using the key themes of Resilience, Regeneration, and Reverence, he speaks…

Aug.21

August, 2025 Newsletter

Aug.21

Further to the June newsletter story about the first authentic machiya to be built in Kyoto in 90 years, JapanCraft21 partner Gion Naito is adding the final finishing touches to the structure and the new owners (a young family of four) will take up residence in August. Built according to traditional methods using joinery and…

Aug.06

心町家塾 第3期 4月レポート:新たな挑戦、町家大工への第一歩

Aug.06

4月27日、第三期心町家塾の入校式が聚楽猪飼邸で執り行われ、京町家の大工を目指す5名の受講生が新たな一歩を踏み出しました。 式典では、受講生一人ひとりが自己紹介を行い、その真剣な眼差しからは、町家大工としての未来への強い決意が感じられました。特に印象的だったのは、日本人の母親を持つKくんです。来日当初は日本語が話せなかった彼ですが、昨年一年間、祗園内藤工務店での見習い修行を経て、今ではほとんどの日本語を聞き取れるまでに成長していました。彼の努力と情熱が、これからどのように花開くのか、非常に楽しみです。 JC21のバイメルをはじめ、心町家塾をサポートしてくださる大工のみなさんからも温かい激励の言葉が贈られ、受講生たちは塾の理念と今後の学びについて理解を深めました。 入校式後には、徒歩圏内にある祗園内藤工務店の新築の町家建築現場を見学しました。現場では、実際に作業をしている大工さんに積極的に質問をしたり、町家の構造を間近で見たり、柱に触れてその質感を確かめたりと、受講生たちは熱心に学びを深めました。未来の町家大工たちの輝く瞳が、希望に満ちた一日を締めくくりました。

May.12

Gianfranco Chicco – The playful guinomi

May.12

This is the second essay in a three-part series that started with The humble yunomi. In Japanese drinking culture, the container often matters as much as what fills it. May is my birthday month so in the spirit of celebrating life, I thought it would be appropriate to write about guinomi, the little cups used…

Mar.28

Gianfranco Chicco – THE CRAFTSMAN NEWSLETTER

Mar.28

The Butterfly Effect: Sori Yanagi and the Art of Appreciation The saying goes that you shouldn’t meet your heroes, but what about celebrating them? In November last year, a diverse group of people working in the UK’s design industry gathered at the Vitra showroom in London to launch the Sori Yanagi Appreciation Society (SYAS).  read…

Oct.22

Gianfranco Chicco – Craftsmanship and Circularity Are One

Oct.22

When I’m asked about my interest in craftsmanship, especially that of Japan, I explain that at its core is the fact that circular principles are inherently baked in. Modern designers rightly focus on using sustainable materials, reducing waste, ensuring repairability, and promoting recycling. Japanese crafts go beyond this, intertwining material sustainability with social systems and…

Oct.12

September, 2024 Newsletter

Oct.12

June Online meeting with our Craft Leaders Group (winners from our contests so far) to update new programs and discuss the February 2025 Exhibition in Ginza. Sponsored a public event in Tokyo on swordsmanship featuring a 500-year-old martial arts group. We secured a permanent exhibition space for our Craft Leaders at The Terminal Kyoto, a…

July.21

Newsletter Summer Special 2024

July.21

I’m Gian and thought it was appropriate to re-introduce myself to the hundreds of new subscribers who have joined in the last few months (welcome and thank you!). When I started The Craftsman Newsletter in 2017 it was about recommending craft-related objects and people I encountered through my frequent travels. In time it evolved into original long-form…